クリニックマーケ基礎編

SNS運用の基礎と成功のコツ|未経験から始める医療マーケティング

クリニックマーケ基礎編
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なぜクリニックにSNSマーケティングが必要か?

最近では、「とりあえずSNSを始めてみた」というクリニックも増えています。

しかし、目的が曖昧なまま投稿を続けても、期待する集患効果は得られません。

では、なぜクリニックの集客やマーケティングにSNSが必要なのでしょうか?

✅ 患者さんの情報収集の仕方が変化
➡ 「○○市 頭痛外来」「○○クリニック 口コミ」などの検索だけでなく、InstagramやX(Twitter)でクリニックの雰囲気や診療内容を調べる人が増えている。

✅ ホームページだけでは届かない層にアプローチできる
➡ ホームページは“検索した人”にしか届かないが、SNSは日常的に情報を届けられる。

✅ 患者さんとの接点を増やし、信頼を築ける
➡ 院内の雰囲気や医療情報を発信することで、「ここなら安心して通えそう」 という信頼につながる。

SNS運用は「とにかく投稿すればいい」ものではなく、クリニックの戦略に基づいて活用することが重要 です!

SNS運用を始める前にターゲットを決める

SNS運用の第一歩は、「誰に情報を届けるのか?」を明確にすること です。

📌 ターゲット設定が曖昧なまま運用を続けると、誰にも響かない投稿になりがち。
📌 「1人に刺さるマーケティング」を意識すると、効果が高まる。

例えば…

  • 訪問診療がメイン → 「親の介護に悩む50代女性」に向けた情報発信
  • 小児科 → 「初めて育児をする30代ママ」が知りたい情報を発信
  • 頭痛専門クリニック → 「慢性頭痛に悩む40代会社員」が求める情報を提供

誰に向けた投稿なのかを決めるだけで、発信内容が具体的になり、共感が得られやすくなります。

ペルソナを考える

やこはる
やこはる

ターゲットをより具体的にイメージするために設定する「架空の理想の患者像」 のこと

「ターゲット=〇〇に悩む患者」と考えることはできますが、それではまだ漠然としすぎています。

そこで、「実際にその患者さんがどんな生活をしていて、どんな悩みを持っているのか?」 まで具体的に考えるのがペルソナ設定です。

📌 ペルソナを決めるメリット

✅ 投稿の内容が明確になり、刺さる情報を発信できる
✅ どのSNSを使うべきかが判断しやすくなる
✅ クリニックの強みを生かした情報発信ができる

「1人に刺さるコンテンツ」作りにおいて、投稿内容がブレにくくなります。

ペルソナを設定することによって、SNS運用が戦略的になり、より効果的な発信ができます!

SNS運用におけるペルソナ活用例

ペルソナを設定する際は、「ターゲット層の悩み」+「自院の強み」 を掛け合わせることがポイントです。

例① 訪問診療クリニックのペルソナ

  • 名前:田中 美和(50歳)
  • 職業:パート勤務
  • 住んでいる地域:クリニックから車で30分のエリア
  • 悩み・課題
    • 実家の母(78歳)が最近物忘れが増えてきて心配
    • 仕事があり、頻繁に病院へ連れて行くのが難しい
    • 認知症かどうか受診させたいが、母が病院を嫌がる

✅ SNS運用のポイント

  • Instagram:「親の認知症が心配な方へ」と題した認知症の早期発見サイン投稿
  • LINE公式アカウント:「訪問診療についての無料相談受付」の案内を配信
  • X(Twitter):訪問診療の予約可能状況をリアルタイム発信

例② 頭痛専門クリニックのペルソナ

  • 名前:佐藤 健太(40歳)
  • 職業:IT企業勤務(デスクワーク中心)
  • 住んでいる地域:クリニックから電車で20分のエリア
  • 悩み・課題
    • 毎日パソコン作業が続き、慢性的な片頭痛がある
    • 仕事が忙しく、病院に行く時間がない
    • 頭痛薬が効かないことがあり、専門的な治療を受けたい

✅ SNS運用のポイント

  • Instagram:「デスクワークの人がなりやすい頭痛の特徴」などの知識発信
  • LINE公式アカウント:頭痛専門外来の予約リマインドを配信
  • X(Twitter):診察の待ち時間情報や、予約枠の空き状況を発信

フォロワー数は大事?それとも気にしなくていい?

SNSを運用すると、「フォロワーを増やさないといけないのでは?」と考えるかもしれません。

フォロワー数が増えることには、確かにメリットがあります。

✅ 投稿のリーチ(届く範囲)が広がる
✅ 認知度が高まり、集患につながる可能性が上がる
✅ 口コミやシェアによる拡散が期待できる

しかし、フォロワー数が増えたからといって、必ずしも患者さんの行動につながるわけではありません。

私自身は、フォロワー数よりも「実際の患者さんのアクションにつながったか」を重視 しています。

例えば…

📌 「Xを見て来院した」という患者さんがいた → これは大きな成功!
📌 Instagramの投稿からホームページにアクセスが増えた → 予約につながる可能性UP!

フォロワー数をKPIとして完全に無視するわけではありませんが、最終的には「来院につながるか」が重要だと考えています。

SNS運用で注意すべき「医療広告ガイドライン」

SNSを活用する際は、医療広告ガイドラインに基づいた運用 が必要です!

📌 NGな投稿例

🚫 「絶対に治る!」「当院がNo.1」などの誇大表現
🚫 「この治療で完治しました!」などの体験談の掲載
🚫 他院との比較や優位性を示す表現

専門的な情報を分かりやすく伝えることが大切です。

医療広告ガイドラインについては別で詳しくまとめていますので、参考にしてください。!

Canvaを活用したSNSマーケティング

私自身、クリニックのSNSだけでなく、パンフレットやチラシ、広告バナーなどあらゆるコンテンツをCanvaというツールを使って作成しています。

CanvaでSNS投稿のデザインを統一する

SNS投稿をCanvaでデザインすると、「統一感のある投稿」 が作れるので、クリニックのブランドイメージが伝わりやすくなります!

📌 Canvaでできることの例

  • Instagram投稿のテンプレート作成(統一感を出す)
  • X(Twitter)用の画像作成(ツイートに視覚的な要素を追加)
  • LINE公式アカウントのリッチメッセージ作成

統一感のあるデザインを作るポイント

✅ フォントや色を統一する(クリニックのブランドカラーを決める)
✅ テンプレートを活用する(投稿のデザインに一貫性を持たせる)
✅ アイコンや写真を適切に使う(医療系のデザインに合った素材を選ぶ)

SNS運用の効果測定と改善の方法

SNSは「投稿すれば終わり」ではなく、運用効果を測定し、改善を繰り返すことが重要 です。

では、どのような指標を基準にし、どう改善していけばよいのでしょうか?

SNSマーケティングで測定すべきKPI(重要指標)

SNSの効果を評価するために、以下の指標を定期的にチェックしましょう。

指標(KPI)意味・役割目安となる数値
投稿リーチ数どれだけの人に投稿が届いたかフォロワー数の5~10倍が理想
エンゲージメント率いいね・コメント・保存・シェアの割合Instagram:2~3%以上、X(Twitter):1%以上
リンククリック数ホームページや予約ページへの誘導回数クリニックの投稿なら 投稿リーチの1~3%
フォロワーの増加率フォロワー数の伸び具合月に 3~5%増加が理想

ただし、「フォロワー数が多い=成功」ではありません。

実際の患者行動(予約・来院)につながったかどうかが最も重要な指標としています。

実践できるSNSの改善方法

数値を分析し、「どこを改善すれば効果が出るのか?」を明確にしましょう。

改善策①:投稿のリーチが伸びない(投稿を見てもらえない)

📌 原因

  • ターゲットに合っていない投稿
  • ハッシュタグやSEO対策が不十分
  • 投稿時間が適切でない

📌 改善方法 

✅ 適切なハッシュタグを活用する → Instagramなら「地域名+症状」「診療科+対策」 など具体的なものを使用
→ 例:「#東京 頭痛外来」「#花粉症 クリニック」

✅ 投稿時間を最適化する → ターゲット層がアクティブな時間帯 に投稿(例:平日12時、20時)

✅ ストーリーズを活用 → フォロワーに直接届きやすく、リーチが増えやすい

改善策②:エンゲージメント率が低い(いいね・コメントが少ない)

📌 原因

  • 投稿が一方的な情報提供になっている
  • 読者の悩みに寄り添った内容ではない

📌 改善方法 

✅ 「患者さんの悩み」を意識した投稿を増やす → 「〇〇でお困りではありませんか?」と問いかける
→ ストーリーズでアンケートや質問募集をする

✅ 会話型の投稿を増やす → 例:「〇〇の症状が出たらどうすればいい?コメントで教えてください!」

✅ カルーセル投稿(複数画像投稿)を活用 → 画像1枚よりも情報量を多くし、保存されやすくする

改善策③:ホームページや予約ページへの誘導が少ない

📌 原因

  • 投稿内で「次のアクション」を明確にしていない
  • 誘導の仕方が弱い

📌 改善方法 

✅ キャプション(投稿説明文)で具体的な行動を促す → 例:「詳しくはプロフィールのリンクからチェック」

✅ ストーリーズのリンク機能を活用 → Instagramのストーリーズに「予約はこちら」ボタンを設置

✅ LINE公式アカウントとの連携 → 「SNS→LINE→予約」 の流れを作る

SNS運用のPDCAサイクルを回そう!

SNSは 「投稿→分析→改善」 のサイクルを繰り返すことで効果が出ます。

PDCAサイクルとは?

PDCAは、業務や施策を継続的に改善するためのフレームワークです。

PDCAの流れ意味SNS運用での例
P(Plan)計画目標を立てる「フォロワーを月○○人増やす」「予約ページへの流入を増やす」
D(Do)実行実際に行動するInstagramの投稿頻度を増やす、新しいハッシュタグを試す
C(Check)評価結果を確認するどの投稿が反応が良かったか、クリック数やエンゲージメントを分析
A(Act)改善次の施策を調整する反応の良かった投稿のパターンを増やす、時間帯を変更して投稿する

このサイクルを繰り返すことで、SNS運用の効果を少しずつ高めることができます!

PDCAを回すためにやるべきこと

1️⃣ 投稿のパフォーマンスを定期的に確認
→ 週1回 or 月1回はデータをチェック

2️⃣ 数値の悪いポイントを洗い出す
→ 例:「投稿リーチが少ない」「エンゲージメントが低い」など

3️⃣ 改善策を試す(投稿内容・ハッシュタグ・時間帯の変更など)
→ 1~2ヶ月続けてみて、数値が伸びるか確認

PDCAを意識しながらSNSを運用することで、継続的な成長につながります!

まとめ:SNSは目的を持って運用しよう!

✅ SNSは「情報発信」ではなく、「関係構築」のツール!
✅ ターゲットを明確にし、1人に刺さる発信を心がける!
✅ フォロワー数のメリットを理解しつつ、最終的には「患者の行動変化」をKPIに!
✅ 医療広告ガイドラインを守り、適切な情報発信を!
✅ Canvaを活用してデザインの統一感を持たせ、ブランド力を向上!
✅ SNSの数値を分析し、PDCAを回して改善する!

要点を抑えて、効率的にSNS集客を進めていきましょう!

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